彷鉄探書 9
なかよし特急
 阿川 弘之
 '59 中央公論社 サンケイ児童出版文化賞 
 (あらすじ)
 昭和34年 東海道線二宮駅近くに住む、鉄道の大好きな小学校5年生の誠君は、毎日近くの陸橋で通り過ぎる特急列車に向かって手を振っていました。
この少年のことは東京機関区の機関士の間でも話題になっていました。
 ある晩のこと、いつもの陸橋で列車をまっている時に近くの線路上にオート三輪が落ちてしまい線路を塞いでしまいました。誠君は機転を利かして迫ってくる
「あさかぜ」を無事に停車させ大事故を未然に防ぎました。
 国鉄営業局の磯村さんは事故を防いだ誠君が鉄道好きなことを知り、ごほうびとして「はと」の電気機関車に乗せてくれました。
 この時同乗したシカゴ&ノースウエスタン鉄道の技師長のジョンソンさん(過日のあさかぜ号にも乗っていました)は誠君の鉄道に対する博識ぶりに驚き、
夏休みにアメリカの鉄道を見学できるように手配してくれます。
 アメリカ鉄道旅行を堪能する誠君でしたが、たまたまTV番組で鉄道クイズというものがありジョンソン夫妻は誠君なら大丈夫と番組に出演させます。
みごとに最後までクイズに正解した誠君は賞金の300ドルでビタミン剤を買います。
これは東京機関区の機関士たちが日頃、長距離運転の疲労防止のために飲んでいるが、高価なためあまり気軽に飲むことのできないということを聞いていたためでした。
 アメリカから帰った誠君はあいかわらず毎日特急列車に向かって手をふっています。機関士は誠君からもらったビタミン剤を飲んでいるよとジェスチャーで
返してくれました。
 磯村さんからの次のごほうびは、もうじき走り出す電車特急「こだま」に乗せてくれることです。
 
 
  この物語が事実かどうかは分かりませんが(もちろん創作の部分が多いのでしょうが)中に登場する鉄道に関する技術が非常に分かりやすく説明されていて
 なおかつ高度な内容なのにはびっくりしました。また誠君はそれを勉強して知っているということにも驚きました。
  最近、戦後に発刊された「科学グラフ」を見ていて鉄道の技術が国の技術の最先端というような形で説明されていて当時の少年少女が興味を持って
 いたということが実感されました。そんなこともありこの物語が全然違和感がなく私には読むことができました。
   さて鉄道クイズの質問はどんな内容なのでしょう
 1週目
  世界で最初の鉄道はいつどこの国のどの町の間に敷かれましたか?その長さは?列車のスピードは?
  アメリカの大陸横断列車のどんな名前の列車がありますか?また偶数の列車番号の列車は東行きですか西行きですか?
  最近時速331キロの記録を出した列車の国とそれはどんな機関車か?
 2週目
  アメリカの鉄道の全営業マイル数は?
  CTCに関する問題
  新しいパシフィック形の蒸気機関車の部品の数はどのくらいか?
 3週目
  鉄道貨物運賃の最も安い国は?また高い国は?それは1トンの貨物を1マイル運ぶのに何セントくらいか?
  機関車が警笛を3回鳴らしました。この意味は?
    どうですか?皆さん答えられますか?
    誠君の夢は日本の鉄道を世界一のものにするということです。
       
  
前へ  次へ

ホームへ